少し前の研究になりますが、
虫歯になりやすいのはどんな性格の人かという研究論文があります。
ニュージーランドのオタゴ大学の研究者グループが
15歳から32歳の1,037人を対象に調査し
『虫歯になりやすい性格の傾向』を調べました。
<研究方法>
まず「歯に対して不安を感じているか」を質問し、
「不安を感じる」グループと
「不安を感じない」グループの2つに分けました。
そしていつごろ思い始めたのかを、
「小さいころから」
「10代から」
「大人になってから」
の3つに小分けにし、
計6つのグループを構成しました。

<結果>
①不安を感じるグループ:全体の4分の1
「小さいころ」から不安を感じていた人の多くは、
5歳前後で虫歯になって通院経験がありました。
一方、「10代から」と「大人になってから」の人たちは
大人になってから虫歯になった人が多かったそうです。
つまり虫歯を経験すること=不安が生まれるといえます。
その論文では、不安を感じる人の特徴に
「ほかにも何かしら不安を持ち、神経質」な傾向があると結論づけました。
また、こうした不安を持つ人は受診や治療の見通しを恐がり、なかなか歯医者に訪れない。
その結果「このグループの人は歯の状態が悪くなるまで歯科に行かず、どんどん心配が募る悪循環に陥っている」と、解説されています。
②「不安を感じていないグループ」:全体の4分の3
このグループの傾向として
「たくましい個性があって物事に対処しやすく、ほぼ大多数の人に当てはまる」
でした。
その中で『大人になってから不安を感じなくなった』という人が13人と、非常に少ないということも発見しました。
成長によって、不安が解消されるわけではないということを示しているのでしょうか。
はたまた、一度不安を感じると克服するのは難しいのでしょうか。

今回はむし歯と性格についての研究論文を紹介しました。
個人的に私が、驚いたのは4分の1の人しか自分の歯に不安を感じていないこと。
残りの4分の3の人は不安がない。
『虫歯になったらどうしよう』
という心配は誰にでもあると思ってました。
一体、なぜだろう。
自分の歯に自信があるのか・・・
歯に対して無関心なのか・・・
それとも、治療に対し恐怖心がないからなのか・・・
ニュージーランドの論文なので、日本とは少し意識の違いがあるのかもしれません。
歯科医師からすると恐怖で歯医者に来ないのも困るし、歯に無関心なのも困ります(^^;)
不安があろうがなかろうが、健康を保とうという意識を持つことが大切ですね。