むし歯じゃないのに歯が溶ける病気

毎日天気が不安定ですね。

先日の台風により被災されました多くの方々には心よりお見舞いを申し上げます。

 

みなさんは「酸蝕症」という言葉を聞いたことがありますか?

酸蝕症とは、食べ物や飲み物に含まれている「」が原因で歯が溶けて薄くなっていく症状のことです。
虫歯、歯周病に次ぐ第3の口腔内疾患とも呼ばれています。

今回はTVでも話題の「酸蝕症」について少し触れたいと思います

 

むしばはむしば菌、歯周病には歯周病菌と

主に「細菌」が大きく関わりますが、

酸蝕症は細菌感染ではないのが大きな特徴です。

 

では酸蝕症の原因はなんでしょう?

 

1)酸性の食物を多量に摂取

清涼飲料水やスポーツドリンク、ワイン、酢の入った飲食物等は「酸」が含まれるため、
酸性の飲食物が触れた個所で起こる可能性があります

YOUTUBEなどで抜いた歯をコーラに漬けておく動画を見かけたことはありませんか?

酸性+砂糖で、漬けた歯はあっという間に黒く小さくなっていきます。

2)習慣的な嘔吐によるもの

逆流性食道炎や拒食症により頻繁に嘔吐を繰り返している方は、

自身の胃液が強酸性の液体になるので、

歯が溶けてしまうことがあります。

特に複数の歯の内側が溶けてくる特徴があります。

この場合は、内科的加療によって対応します。

3)職業によるもの

化学物質を取り扱う工場などで働く方々が作業中、酸のガスや蒸気、ミストを吸い込むことにより歯が溶けてしまうことがあります。

特に当院は築地ですので、お寿司屋さんやパティシエの方は酸蝕症になっていることが多いです。

歯は酸性(PH5.5以下)になると溶けます。

酸蝕症にかかると、知覚過敏や歯の欠け、詰め物が溶ける、むし歯になるといった症状が出ます。

酸蝕症の治療の第一歩は、まず原因を明らかにすることです。

むし歯と同様、失われた歯質は元に戻すことができません。
気になった方はお早めにご相談ください。